6/7
前へ
/67ページ
次へ
-----少年がいた上野第三公園からだいぶ離れた別の公園。 肩で息をする私はベンチに座らされ、レイさんは携帯で連絡をとっている。 私は少しでも息を整えることにつとめた。 公園から出て30分位はたつのに、まだ体の震えが止まらない…。 私は震えを止めたくて自分の体を抱いた。 しばらくして、報告が終わったのかレイさんが私の隣に座る。 「…何で行った。」 「すみませんでした…」 「……止めたのに何で行ったんだ。」 「…わかりません、私にも…。ただどうしても気になって…行かなきゃいけない気がしたんです…すみませんでした…」 レイさんは軽くため息をつく。 「…もういい。たぶんその気持ちは悪いことじゃない…だがお前が取り込まれていたら、俺はアイツを消滅させていた。アイツを助けたいと思うなら、自分も大切にするんだな。」 「……はい。」 レイさんは私の頭をポンポンと撫でてくれた。 普段は冷たく感じるその手が今日はなんだか温かく感じる。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加