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-----少年がいた上野第三公園からだいぶ離れた別の公園。
肩で息をする私はベンチに座らされ、レイさんは携帯で連絡をとっている。
私は少しでも息を整えることにつとめた。
公園から出て30分位はたつのに、まだ体の震えが止まらない…。
私は震えを止めたくて自分の体を抱いた。
しばらくして、報告が終わったのかレイさんが私の隣に座る。
「…何で行った。」
「すみませんでした…」
「……止めたのに何で行ったんだ。」
「…わかりません、私にも…。ただどうしても気になって…行かなきゃいけない気がしたんです…すみませんでした…」
レイさんは軽くため息をつく。
「…もういい。たぶんその気持ちは悪いことじゃない…だがお前が取り込まれていたら、俺はアイツを消滅させていた。アイツを助けたいと思うなら、自分も大切にするんだな。」
「……はい。」
レイさんは私の頭をポンポンと撫でてくれた。
普段は冷たく感じるその手が今日はなんだか温かく感じる。
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