5人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、笑っているのもいまのうちだろう。もう間もなく、警察官が制止しに現れるだろうから。もうここでゲリラ的なライヴをするのも三回目になる。そろそろ説教とかいうレベルでは収まらないのは明白だった。
善良な市民と実力をもって社会の治安を維持する行政機関。
やっていることに変わりはないのだが、後者がやってきたら笑い事ではないのだ。
――ということで。
「本当にすみませんでした! さ、空さん、さっさと撤収しましょう!」
「え、ちょっと、海人君、こんなところで屈するというの!?」
「……アンタは何と戦っているんだ」
他二人、尾田元と栗原恵美は慣れたものだ。俺が空と言い争っている間に、楽器を片付けている。
その手際の良さは、アジトを嗅ぎつけられて逃げ出す反乱軍のよう……一体、何に反乱しているのかは知らないが。
最初のコメントを投稿しよう!