転落ディクレッシェンド

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 空さんのような記憶力でなくても、この程度の事は、数ヶ月、いや数週間で忘れてしまっていたところだろう。  まぁ、ここでこれっきり、話題にも上がらなかったら。 「あ、思い出した」 「え、何を」  テリヤキバーガーセットを注文して待つあいだに突然、空さんはそんなことを言ったのである。  まじでこの人のきおくりょくどうなっているんだあたまこじあけたろうかこのやろうでもまあこのひとならこういうこともあるだろうなとか思ったが口にはしなかったさ。うん。  頭の中で早口に悪口を言い終えて、俺は溜息をひとつ吐いた。  蒼野空と一緒にいると、空から降ってくるように何かが起きる。  これから何かが起きるのだろう。その内容についてまでは、予想なんて出来るはずもなかったが。
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