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「貴方が黒幕ね!皆を元に戻しなさい!!」
アポロは少年を指差し大声を発するが、少年は反省する様子もなく答える。
「元に戻す?一体何のことやら…。」
「しらばっくれないで!!皆が世界各地で暴動を起こすなんて可笑しいでしょ!?貴方が皆を操っているとしか考えられないわ!!」
「ふ~ん。なるほど…。何故そう言い切れるんだい?」
少年の言葉にアポロは表情が曇る。何か言いたげだが上手く言葉にできないのか口を開閉させている。
「君は皆が革命を起こすような人ではないって言い切れるのかい?」
「!!?」
「みんな表向きはそうかもしれない。でもね、裏の顔はどうかな?もしかしたら君の身近な人だって今の世界を恨んでいるかもしれないよ?」
もしかしたらそうなのかもしれない。自分の信じていた人は実はこの状況を望んでいたのだろうか?
少年…リコルドの言葉にアポロの心は揺さぶられる。
「まぁ…本当に操っていたならとっくにバレてみんな正気に戻ってるし…。」
操るのは僕の専門外だからねと言葉を付け足し、アポロの不信感を煽る。
「皆を元に戻してください。」
アポロは隣にいた親友の真剣な顔を見る。強気に言ったものの冷や汗が垂れている。
「だから操ってないっていっているでしょ?」
「操れなくても騙すことはできるでしょう?私にしたように…。」
「……。」
暫くの沈黙のあとアハハハと笑いキャメルに目を向けた。
「あのときはまだ気がついていなかったのかまだ思い出せていなかったかわからないけど…そこまで思い出されたら隠すこともないか。」
そういうとリコルドは後ろにある本棚から一冊の本を取り出した。
「これは僕が書いた本。"ナトム"って知っているかい?僕のペンネームで巷では天才小説家って言われているらしいね。」
「なによ…。自慢しちゃって…。」
「そうだね。このままでは自慢話になってしまうね。」
アポロの言葉を否定せず、リコルドは話を続ける。
「この本はね。僕の能力を元にちょっとした細工がしてあってね、読んだ人は王国や世界を憎悪するような記憶が植え付けられるんだ。例えば騎士に暴力を振るわれたとか、目の前で大切な人が魔王の手先に殺されたとかね。」
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