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きっかり午前十時。
ガガガーッと地面を掘る音が、やかんのピーッという音に
重なった。
コーヒーをいれようとしていたわたしは、
あわてて火を消すと、隣家の様子を伺った。
我が家との境界線とおぼしき白線より、やや内側に作られた木柵。
その柵に沿って掘削が始まっていた。
スタッフは六十歳代ひとり、二十代ふたり、だろうか。
隣家の前に停められた軽トラには、昨日の名刺と同じ
「サンガーデン」のロゴ。
どうして…。
改めて打ち合わせをする間もなく始められた工事に、
不満を覚える一方、出費を覚悟していただけに正直、
助かった、とも思えた。
とりあえず!時計を再び確認すると、
目前に迫った締め切りを最優先に、再びモニターに向かった。
フリーライターに甘えは許されない。
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