第1章

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愛が足を踏み入れてしばらく。 「まったく、どんな格好で寝ているのよ?昨日と同じ服じゃない」 一人で呟いてもピクリとも動かない美佐子。 「ちょっと、いい加減に起きなさいよ」 散らばった空き缶を倒さないようにしゃがむと、美佐子の肩を叩いた。 その瞬間。 グラッ ドサッ。 「え?」 硬直したまま美佐子は左側に倒れた。 「え?あ、え?」 愛の思考がパニックを起こしていた。 どうすればいい? 救急車?警察? 無理矢理平常心を持ってきて、震える手でスマートフォンを取り出した。 「け、警察ですか?人が死んで、私の友達が死んでいるんです!早く来て!」 『落ち着いてください。住所は?』 「白馬村、2-3-2。マンションの4階です」 『貴方の名前は?』 「や‥‥山田愛です」 『すぐに向かいます。山田さんはそこから動かないでくださいね』 そのまま電話は切られた。
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