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愛が足を踏み入れてしばらく。
「まったく、どんな格好で寝ているのよ?昨日と同じ服じゃない」
一人で呟いてもピクリとも動かない美佐子。
「ちょっと、いい加減に起きなさいよ」
散らばった空き缶を倒さないようにしゃがむと、美佐子の肩を叩いた。
その瞬間。
グラッ
ドサッ。
「え?」
硬直したまま美佐子は左側に倒れた。
「え?あ、え?」
愛の思考がパニックを起こしていた。
どうすればいい?
救急車?警察?
無理矢理平常心を持ってきて、震える手でスマートフォンを取り出した。
「け、警察ですか?人が死んで、私の友達が死んでいるんです!早く来て!」
『落ち着いてください。住所は?』
「白馬村、2-3-2。マンションの4階です」
『貴方の名前は?』
「や‥‥山田愛です」
『すぐに向かいます。山田さんはそこから動かないでくださいね』
そのまま電話は切られた。
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