第1章

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風に現る者、其処に。 天と地とを結ぶ者。 森羅万象この現。 「樹」は地に光を注ぐ為、 「海」は地を潤す水となる。 二つの者の真には、 空しか知らぬ事もあり。 陽より光を受け継がれ、 陰より闇を受け入れし、 天より命を与えられ、 地へと伝えたこの想い。 全てに繋がる魂は、 やがて一つの「粒」となる。 命の灯が消ゆる時、 一つの闇が生まれるだろう。 闇より出でし道は、 死する時何処までも…… 続く道細くとも、 いつかは天に届けよう。 前に光があるけれど、 後ろは闇へと包まれる。 光見ずとも道はある。 真の伝えを思い出せ、 記された其処にあるだろう。 眼で見えぬなら、 音で聴け。 静に耳を傾けよ。 物だけを見ようとする意志が、 静への妨げとなる。 感覚を研ぎ澄まし、 真理を知ろうと思う時、 光は闇に、 夢は現へと変わるだろう。 音は風に乗り、 想いは心に響く水…… やがて水は風となり、 空を舞う音となる。 それは天にしか聴こえない たった一つのかけがえのない 「音」 ………天の声を聴いてみよ。 ただ流れるのは、 真の教え。 命が瞬くその刻に、 心に響く水の音。 水が風に変わる刻、 光が幾度に輝ける。 闇より生まれし黒き灯、 照らすものこそ、 傍にある。 天に在りし、真の心。 天に無きもの、地に在らず。 嘘偽りに操られ、 闇を招く結果となる。 闇こそ悲しきものなかれ。 光より虚しきものなかれ。 相反するものあればこそ、 真理の意味を知るだろう。 天より血が流れし時は、 地の危機をも意味すべし。 樹より生まれし海 「樹海」 天に掲げるその姿 緑の海を泳ぐ雲 空に流れしその音は、 月の光に照らされる。 月光一筋、道此処に。 消ゆる事なく在り続け、 白夜に招く滴より、 光は地へと道続く…… 白き命の終わりには、 輝き一つ残るだろう。 どんな小さな灯も、 いつかは大きな力となる。 空へと浮かぶこの想い。 天に導くその答え、 未開の場へと誘われて 心頭滅却ともにあり。 想いは残る、この空に。 姿なくとも見えるもの。 天はただ、風の流れに身を任し 川の如く緩やかに、流れゆく 白銀に光輝く時の翼…。
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