さようでございますか 佐也加の恋5

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おばあちゃんは目を丸くしたまま感心してた。 部屋の隅にあった古い鏡台にかかった暖簾を払いのけると 腰をひねって肩越しに後ろ姿を映して見た。 「ねぇねぇ。おばあちゃん私、凄いよね」 「うん。孫にも衣装って言うけどホント」 私は嬉しくなってスマートホンをおばあちゃんに渡して言った。 「写真撮って。ここ押して」 「ここ、これ。これでいいのかい?」 「そそ。そのボタンを押して」 カシャッ! 「もう一枚」 カシャッ! 「もう一枚」 カシャッ! おばあちゃんがシャッターを切るたび私はポーズを変えた。 「どう。撮れた?みせて」 スマートホンを受け取ると写真を確認した。
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