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帰り道の路地で野良猫にあった。
私の顔を見てミャーミャーと鳴いている。
「お魚は釣れなかったんだ」
ミャーミャー。
「ごめん。ごめん」
ミャーミャー。
「ごめんね。ごめん」
猫の前で佐也加が座り込むと
野良猫は佐也加の足元にまとわりついてくる。
「甘え上手だね。私も猫ちゃんみたいに成れたらな」
ミャーミャー。
「ごめんね。また今度ね」
佐也加が立ち上がると野良猫は
ミャーと声をあげ
止めてあった自転車のサドルに飛び乗ると
塀の上に跳ね綱渡りするように
塀の上を歩いて行った。
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