さようでございますか 佐也加の恋5

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次の日は美容院に行くため またバスに乗った。 相変わらず、あのバスの運転手さん 「今日は何処行くの?」って話しかけてきた。 「髪を切りにいきます」 「へぇーどんな髪型にするんだ?」 「どんなって言われても」 「俺にも娘がいるけど、あーだこーだと雑誌を見て雑誌を切り抜いて美容院に持って行ってるみたいだけどな」 「そうですか」 みんなそうだろう、だって年頃だもん。 一年ぶりに美容院にいく女の子って 私ぐらいかもしれない、悲しくなった。 でも今日は私。 生まれて初めてストレートパーマをかけちゃう。 「矢でも鉄砲でも持ってこいってんだ」 私の年頃にしては変なセリフを言っちゃった。 バスの運転手さんがミラー越しに 「えっ?」って顔をしたので 「えへへ」私は頭を掻いた。
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