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私はどんなに寂しくても
買い物なんかで満たされようとしたくない。
シューズが並んだ陳列台の横を通り過ぎ
突き当たりの大きな磨りガラスで区切られた
美容院の入り口をくぐると
全身黒づくめで腰にハサミを沢山ぶらさげた
美容師のお姉さんが声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。予約はお済みですか?」
「いえ。予約はしていません」
「わかりました。そちらのソファーで座ってお待ちください」
「はい」
私はパーティーションで区切られた
白いソファーに座った。
目の前のテーブルの脇にあった本棚に
いろんな雑誌があった。
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