第5話

さようでございますか 佐也加の恋５

本棚からヘアモードって雑誌を取り出して

パラパラとページを開いた。

真っ白な肌をした西洋のモデルだろうか

ウェーブの掛かった銀色の髪の隙間から覗く

切れ長で美しいエメラルドの瞳。

頬に当てた指は細くてしなやかで

まるで別世界の女性だ。

こんな写真をみせて

「こんな髪型にしてください」

そんなこと言える分けないって思ったら

私の所に美容師が来た。

「当店のお客様カードをお持ちですか？」

「いいえ持っていません」

「では、お作りしますので、こちらにご記入お願いします」

美容師は黒いバインダーに挟まれた用紙とボールペンをテーブルに置いた。