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前日のライヴの疲れを残したままマリアがZENNの部屋に向かうと、案の定、彼は酒の用意をして待っていた。
報告だけなのだからとマリアは酒を断ると、名は伏せたが、由真の父は健在であること、そして事情は察せられるとは思ったが、由真の母は亡父の古い友人として、経済的な援助をすることにしたことなどを告げた。
「そんなわけで、ご迷惑をおかけしましたが、今後はこのようなことはありませんので…」
マリアが詫びると、ZENNは、わかった、とだけ言った。
が、用件の済んだマリアが帰ろうと立ち上がろうとすると、
「マリア、証拠らしい証拠がなくて不安だろうが…」
思わずムッとしたのは、その通りなのを読まれたためだったのだろう。
「俺達は神なんだ。お前が心から彼女を愛しているなら、たとえその…最初手紙の話通りでも、許されるような気が俺にはする。」
「この程度で神ですか? 」
マリアは初めて逆らった。
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