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「ZENNさん…」
「もう、いいから。」
そんなにZENNは由真の存在に嫉妬していたというのか。そんなに自分に執着していたというのだろうか。
しかし、マリアにはもうどうすることもできない。由真と別れるわけにはいかないのだ。
(ZENNさん…俺だって、ZENNさんという人にひかれたからここに来てたんです。
ZENNさんの権力に抱かれに来てたわけじゃない…)
この言葉をマリアは伝えたかった。だがそれでZENNが癒されるわけもない。
大きなため息をつくと、ZENNは顔をそむけた。マリアは帰るしかなかった。
重いドアを閉めた瞬間、マリアの胸の奥の何かがぼろぼろと崩れ、苦くマリアの全身に広がっていった。
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