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自分の落ち込みがひどくなってから、人目もはばからず、酒の席では隣に座り、こまごまと世話を焼いてくれるようになっていたのはマリアが情を移してくれたからではないかと思っていた自分が情けなかった。
その夜ZENNは一晩中、例のベッドルームの隣のベッドルームで苦しみ続けた。
「社長…」
苦悶と胃の痛みで眠れなかったZENNは、自宅にいるのも苦しく、また前日の後ろめたさもあって会社の社長室に来ていた。
そこにノックをして急いで入って来たのは仁だった。
昨日の説教でもされるかと思いきや、彼が持って来た難題はマリアに関することだった。
「兄さんあてのファンレターの中にこんな手紙があって…」
ZENNあてのファンレターやプレゼントはすべてチェックされることになっていた。
女性の達筆で綴られた内容に目を通して、さすがのZENNも驚いた。
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