第9章  魔法

7/20

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「グルーピー、ってヤツか…これがマリアの父さんだろう? で、この端っこが、加藤って人か。で、これが山田って人…」 「山田って人の住所も電話番号もはっきり書いてあるし…」 「確認したのか? 」 「いや、まず兄さんに相談してから、永山さんにと思って…」 「わかった。俺がマリアに確認する。」 「兄さん、忙しいのにこんなこと…」 「いや、いい。他にもあいつには話がある。確認してあとは彼の方で処理させる。マリアを呼んでくれないか。」  仁を見送った後、ZENNは複雑な気持ちだった。  たぶんデッチ上げだろう。  しかし、これで…せめてマリアに会い、それとなく結婚の件にさぐりを入れてみたかった。    ツアーを目前に控えたマリアがつかまったのは夜だった。ZENNは自宅のリビングで彼を待ち受けた。 「マリア、事務所に嘘をつかれては困る。彼女、というふれこみだそうだが、妹だっていうじゃないか。母親の代理人から、金を請求されてる。」  マリアは驚くばかりだった。ZENNに差し出された手紙や写真を見ても、まったく何だかわからなかった。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加