4人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「グルーピー、ってヤツか…これがマリアの父さんだろう? で、この端っこが、加藤って人か。で、これが山田って人…」
「山田って人の住所も電話番号もはっきり書いてあるし…」
「確認したのか? 」
「いや、まず兄さんに相談してから、永山さんにと思って…」
「わかった。俺がマリアに確認する。」
「兄さん、忙しいのにこんなこと…」
「いや、いい。他にもあいつには話がある。確認してあとは彼の方で処理させる。マリアを呼んでくれないか。」
仁を見送った後、ZENNは複雑な気持ちだった。
たぶんデッチ上げだろう。
しかし、これで…せめてマリアに会い、それとなく結婚の件にさぐりを入れてみたかった。
ツアーを目前に控えたマリアがつかまったのは夜だった。ZENNは自宅のリビングで彼を待ち受けた。
「マリア、事務所に嘘をつかれては困る。彼女、というふれこみだそうだが、妹だっていうじゃないか。母親の代理人から、金を請求されてる。」
マリアは驚くばかりだった。ZENNに差し出された手紙や写真を見ても、まったく何だかわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!