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勢いよく、流し込んだシャンパンは、すーっと、体の奥に運ばれてゆく。
冷えたシャンパンは、頭まで冷やすわけでもなく、余計に帰りたくなってきた。
父は、こういう時でないと…
と、一生懸命、あちらこちらの偉い人にあいさつに伺っている。
当分、戻ってこないな…
一人で帰れるが、一言、言っておかないと…
着なれないドレスも、12センチのピンヒールも、何もかも、限界だった。
疲れたのに、帰る訳にもいかず、ため息が出る。
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