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「うん……」
「まあ、そんなチャラくて落ち着かない男を選んだのはミユキなんだし」
「だね」
「夫婦にならなかった方がうまくいく事もあると思うけど。
ま、ダメなら離婚すればいいだけの話だよ」
「やだ。そんな簡単に言わないで」
新婚の私に水を差す言葉。
「俺は結婚なんてしないだろーな……」
「えー、どうして?」
「一生同じオンナを好きでいられる自信ないし。
もし嫌いになっても、ガキがいたら別れたとしても養育費とか大変そうだし……」
ボソッと呟くように言うヨシの目は遠くを見ている。
「……ヨシ冷めてるね。現実的すぎる。
ヨシも運命の赤い糸の女性と結ばれれば一生添い遂げられるよ」
私はニッコリ微笑んでヨシを見たら、
ヨシはプッと吹き出して笑った。
「ほんっとにミユキは乙女だな」
「え? リューマも信じてるよ?」
「だったらリューマもオンナだな」
「ちょっ、バカにしてんの?」
私は頬を膨らまして、グーでカウンターの下からヨシをゴツいた。
その手をヨシはガッシリ掴んで言った。
「そうゆう迷信を信じるミユキが好きだよ」
ヨシは口元をニヤリとさせた。
イジワル言われてるのに
見上げるヨシがカッコ良くて、一瞬見とれてしまった。
「……やっぱりバカにしてるね」
「してないよ。何を信じるかなんて本人の自由だし」
「じゃあ、なんでニヤニヤするの?」
「ミユキがリューマを運命のオトコだと信じてるのが健気だなーと思って」
ヨシは掴んだ私の手首を離さない。
「壊れないで一生貫けるのか見てやるよ」
ヨシは瞳を真っ直ぐ私に見据えて挑発的に微笑んだ。
「…………」
ヨシに、私とリューマの絆を否定された気がした。
気分わる……。
きっと、私も時折 リューマが遠くに行ってしまうような気がするから
自信がなかったのかもしれない。
指名のお客様を担当しながら、
相川さんが、ヨシと仲良さそうに話すのを見て
オンナの勘で相川さんは、ヨシにも気があるのが分かる。
相川さん、彼氏いないのかな……。
あんなに美人なんだからいないハズないと思うんだけど……。
ヨシは今 多分フリーだし、もしかしたら隠れて付き合っているのかも?って思う事がある。
二人一緒に帰るところも見た事もあるし。
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