第1章

5/35
前へ
/35ページ
次へ
「あーもう。 DVDも見たら見っぱなしなんだから」 私は鼻を膨らませて呟いた。 テレビの前にはリューマがレンタルで借りたDVDが散乱としていた。 なぜかテロリストをテーマとした映画を好んで観る傾向があるリューマ。 そのDVDがケースにも入っていない状態で置いてあって A型の私としては、そうゆう風に放置してあるのが無償に許せなかったりする。 一緒に暮らしてみてやっとお互い見えてくる事はたくさんある。 恋愛している時は、見えなかった事たくさんある。 どんなにリューマが愛しいと思っても 腹立つ時は腹が立つし、怒りをぶつけてしまう時もある。 「朝飯、今日はいらない」 せっかく用意したのに シャワーから出たルイは、そう告げて、着替えを始めた。 「コーヒーは飲もうかな」 トースト焼いたのに。 スクランブルエッグも作ったのに。 用意してあるならムリしてでも食べよう……とはしてくれない。 「トーストせっかく焼いたのに……」 「ミユキが食べればいいじゃん」 「私、とっくに食べたんだよ。リューマが寝てる間に」 「オレ待たないで朝食とってたの?」 「だって、起こしても起きてこないから」 「食事は一緒にしようねって言ったじゃん。夫婦なんだからさ」 「そんな事言っておいて、朝飯いらないって言ったのはダレ?」 「いつもは食べるでしょ?」 「あーもう、時間ないからもういい。 はい、コーヒー!」 「だから食う時間ないから言ったのに。 そんなに怒んないでよ」 リューマが口を尖らせて、コーヒーを口に運んだ。 ……A型とO型は合わないんだっけ? 血液は関係ないよね。 きっとこれは個人の性格の問題。 性格のクセからくる相性の合う合わないは もうしょうがない事なんだって分かってるけど、それが、すごくネックだったりもして……
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加