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私が高校生の頃に一目惚れしたモデルの本橋ルイが
今は私の旦那さま。
そんな幸せを掴めるなんて
本当に夢にも思っていなかった。
「テロリスト? なんで?」
ルイが大きな目をキョトンとさせて私を見た。
「DVDよく観てるでしょ」
「あ、ああ……」
ルイはあくびを噛み殺しながら言葉を続ける。
「ガキの頃に、イスラム国で過激派グループが拉致った人たちを処刑するシーンをネットの映像で見てしまってから、その影響で、無差別テロとか、興味持つようになってさ」
「興味持ったの?」
「悪い事してないのに、殺されるなんて無惨だなーって。
なんでそんな運命を背負わなければいけなかったのかなって。
テロリズムはオレに運命を考えさせられる。」
リューマは言いながら眠そうな目を閉じた。
「自分を更正させてくれた人がニューヨークで通り魔に会って殺されたんだ。
愛する人との結婚が間近だったのに」
え……。
リューマをモデルの道にスカウトした人かな?
「運命は変えられても宿命は変えられないって言うじゃん」
「……そうなのかな?」
「神様って幸せの根元だと思ってたけど
残酷な事ばかりするよね」
ゆなさんの事も言ってるのかな?
ゆなさんは自殺じゃなかったの?
「あー、ねむ」
私はリューマとこうして一緒になれたのは
宿命……? 運命……?
「芸能界で実力発揮してもさ、いつも孤独だったんだよ、オレ。
ミユキと出会ってから、マスコミに騒がれないでミユキと幸せになりたいと思った」
「芸能人はプライベートがないもんね……」
「オレ、俳優していた時より、今が幸せ。これって運命でしょ?」
「私も運命じゃなかったらルイと引き合わなかったと思う」
「これだけの男女がいるのに1人を選ぶなんて運命に支配されてなかったら叶わないよね」
リューマは目を細めて私を優しい目で見た。
そうだね……。
相思相愛になれるなんて、
奇跡に近い事だよね。
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