第31話

思い過ごしであればいいのだけれど・・・

いや、もしかして母も今日子もこんなことを考えていたのか。

そうだとしたら、それは完全な間違いである。
私にはそんな気は毛頭なかった。

私にも夫にも、途中で返済を免除してあげるなどという考えは
これっぽっちもなかったのである。

それはしっかり返してもらおうと思っていたし、
返してもらって当然だと思っていた。

それは返すべきだと思っていたし、
返して当たり前だと考えていた。

だから、それは直也君にも今日子にも言ったはずであるし、
確認したはずなんだけど・・・

そんなことがぐるぐる駆け巡っていた。