子どもの頃に背負った傷

5/5
前へ
/32ページ
次へ
這い上がろうとしても這い上がろうとしても、 また落ちてしまう。 抜け出そうとしても抜け出そうとしても 何かがなくて、 何かが足りなくて、 そんな気持ちだけが再確認されるだけ。 一向にその先が見えてこない。 ただ、最近私は、それは 「もうそういうものなんだ。 そういうものだと思うしかないんだ。 いや、そう思えばいいんだ」 ということがようやく見えてきた。 それは何十年かかって、 それでもまだはっきりとは掴めていないけれども、 ようやくここまでは来れたという思いというものがある。 私には少しばかりそこで心が納まる、 そんなものだ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加