第1章   私が求めていたもの

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正直言えば、私には言いたいことが山のようにあった。 本当のことを言えば、それをぶちまけたかった。 そうして、その本心は私に味方してほしかったのである。 それが私の偽りのない気持ちであった。 「ねぇ、聞いてよ、お母さん。 今日子にこんなこと言われたんだけど、 お母さんはどう思う? 今日子達はこんなことを言ってきたんだけど、 それってあんまりなことじゃない。 ねぇ、いくらなんでも酷過ぎるよね」 って、こう言いたかった、訴えたかった。 そうして、「そうだね、それはいくらなんでも酷過ぎるね」 と言ってほしかったのである。 それは母にそう言ってほしかったのである。
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