0人が本棚に入れています
本棚に追加
走って帰ってきた。
家の扉を閉めると堪えていた涙が次々と溢れてきた。
俺のどなり声に驚いたメンバーの顔、何より、その瞬間顔をあげた純くんから流れ落ちた涙が頭から離れなかった。
ひとより勘がいい俺は二人の雰囲気からあまりいい話をしていないことはなんとなく察していた。
二人で話しているときの純くんの顔はいつも泣きそうだったし、それを聞いている翔くんもどこか辛そうな表情をしていた。
でも、まさかその内容が俺だったなんて…
確かに最近、距離をおかれている感じがしていた。
俺が話しかけると途端に赤くなる顔。
吃り過ぎな口調。
少し震える肩。
そんなに…嫌だったかな…
何をしたかも見当がつかず、ただひたすらに好きな人を自分が泣かせてしまったことを悔やんで泣きあかした。
最初のコメントを投稿しよう！