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にしても、物々しい部屋だ。
「日本お笑い大全」は届くかと思いきや、身長が縮んだせいで届かなくなった。友人のほうを見ると、温かい目で見つめられていた。助けろよ。
仕方ないので、先ほどの円卓を持ってきて、それを足場にして本棚の上のほうを調査し始めた。
上のほうは、重い本がたくさんあるばかりか、埃っぽいので調査する気力が削がれる。
それでも僕はなんとか調査している。
後ろから視線を感じるが、見るんだったら手伝ってほしい。一生懸命頑張っているという時に、この2人は。
「いやーかわいいですな」
「そうですなー」
―あんたらはじいさんかっ!!
というか和歌のほうがかわいいと思うが…
「鏡がないのが全力で悔やまれるな」
幸助が何か言っているみたいだが、聞き取れなかった。それよりも調査に集中しよう。
本棚の上部を、足場をいちいち降りて動かしながらゆっくりと調査していく。
そのなかで、気になるものを発見した。
「広辞苑」
この大量の辞書の中で唯一の普通の辞書であった。
気になった僕はその辞書を引っ張り出すことにした。
…なかなか取れない。強く挟まっているようだ。
腕に渾身の力を込め、タイミングを持ってしっかりと引っ張る。よし、数mmずつ引き出せてるっ。
すると、数十秒後突然。
広辞苑に働いていた摩擦力がフッと消え去った。
もう少し分かりやすく言うと、あとちょっとのところで僕が焦っていたために、勢いよく広辞苑が本棚から飛び出してきた。
僕は、(僕からは見えていないが)見事な1/4円を描きながら地面に激突しそうになった。
和歌が助けに入ろうとしてくれた。
ここでミソは、「入ろうとした」ことである。
よって、僕は
「痛っ!!!」
コンクリにしたたかに頭を打ち付けた。
「おい、大丈夫か(笑)」
幸助が話しかけてくるが、それ、絶対心配してないよな。
「私、もう駄目…」
「おーい、未来がおかしくなったぞ「冗談です許してください!」はいはい」
わ…いや僕、あの転落でよく痛いだけで済んだな、
惨状になってた可能性もあるぞ…
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