序章 見知らぬ部屋にいた

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My name : 横西 未来(ヨコニシ ミライ) 僕には友達がいた。 その子は、僕が「タカ」と呼んでいたが、本名は忘れてしまった。 クラスは毎回違ったが、そこそこ仲のいい友達だった。 しかし、そんなことも吹き飛ぶような出来事が起きた。 …いや、起こっている。 夏休みつまり昨日、その子の家に泊まりに行ったのだが、朝起きると謎の部屋に閉じ込められていた。 回想終了。そして今に至る。 まだ現状把握が完全でない。僕は当たりを見回した。 右方向にはすぐに本棚があるが、横向きのためここからでは本が見えない。 部屋の真ん中には丸い机が置いてあり、時計といくつかの箱が置いてある。 ちょうど向かい側に金属製の重そうな扉がある。 同じ壁際に冷蔵庫らしきものと鉄製の棚が見える。 そして、今僕が座っている金属製のベッドの隣、つまり僕の目前に金属製のポールがあり、そこに手錠を足枷代わりに2人が寝ていた。 一人は一緒に泊りに来た友達の風海 幸助(フウミ コウスケ)。 もう一人は、今回の宿泊に関係のなかったはずの僕の友達、三田 和歌(ミタ ワカ)。両方とも僕の数少ない男友達。 僕の頭の中ではもう?マークが飛び交っていた。しかし、友達が拘束されっぱなしというのも忍びないので、助けようとベッドから― 下りられなかった。 なぜかというと。 足を彼らのように手錠で繋がれていた。 ただし僕は彼らとは違いポールではなくベッドの脚に固定されていたが。
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