1章 脱出開始

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僕たちは、とりあえず落ち着いた。 いや、自分でもこの状況でよく落ち着いていられるなと思った。 でもその理由はすぐに気付いた。 犯人が近くにいないからだ。 犯人はだれだろう。 やっぱり「タカ」のせいなんだろうか。 そもそもここは、いったい何処なのだろう。 疑問は浮かんでは溜まり、浮かんでは溜まりを繰り返し、それから脳の処理限界に達するまではそう時間はかからなかった。 僕はもう一度気が遠くなった 「起きろっ!おい!」 起こされた。 「まあ、それにしてもどうする? 暇だしな…」 …捕らえられている最中にそんなことをいう奴は絶対ほかにいないぞ。 「そうだな。俺も暇だ」 いた。 「脱出できたらいいんだけどなー」 と言った僕のこの意見は真っ当なはずだが、 「「お前、犯人がわざわざ脱出できるように作ってるとかありえねえだろ!とりあえず待っとこうぜ。そのうち何かあんだろ」」 「お前らこそ楽観すぎるわそして長台詞完璧ハモり最早偶然じゃないだろ!」 突っ込まれた。 と言うか、友人のハモりに対して危機感なく突っ込む僕もよっぽど楽観だと思うが…
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