第1章  はじまりの音

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  平凡な容姿に平凡な性格、成績は中の上とういうモブキャラを地で行く様な人間である俺は、ごくごく普通の高校2年生だ。 家と学校の往復しかほとんどしない毎日だが、それなりに友達はいるし、何も不満はない。 「あーらーきー!!」 「よ。おはよ近藤」 「おはよ!なんだよお前朝からテンション低くないかー?荒木翼くんよー」 「お前がテンション高すぎなんだよ。朝からうるさい奴め」 「まぁまぁ、そうカリカリしなさんなって。これやるからよ」 「ん?飴?」 「朝姉貴にもらったんだよ。お前にもわけてやる」 「あー、いや、うん。ありがとな」 「おう。いいってことよ」 この、朝から無駄にテンションの高い近藤という男は、1年の時に同じクラスだった。 席が近かったのをきっかけに話すようになったのだが、あまりにテンションが高いので、時々ついていけなくなる。
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