第1章  はじまりの音

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「そういやお前さ、俺とんでもねー話聴いちゃったんだけど・・・あれってマジ?」 「げっ!聴いちゃったって・・・あれだよな?」 「お前が何を思い浮かべてあれと言ってるかはわからんが、きっと、その、あれだ」 「うわー・・・マジかよ・・・」 思わず地面にしゃがみ込む。 きっと近藤が聴いたのは、先輩との壁ドン事件だ。 たまたま通りかかった誰かが見ていたらしく、2日程前から噂になっていた。 お蔭で、先輩の事が好きな女子からの視線が痛い。 俺は何も悪くないだろ!!と思いつつも、 先輩に壁ドンの理由を聴く勇気は俺にはなかった。 「あー、マジもう学校行きたくねー」 今の俺の、素直な気持ちだった。
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