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泣が出ていったのを確認して俺は近くの椅子に凭れかかる。
正直かなり嬉しかった。
(心臓バクバク鳴ってる…。)
一度落ち着こうと深呼吸をする。
2、3回やったところで大分落ち着いてきたな、と深呼吸を止めた。
「あー…一人じゃどうしようもないわ。」
―――――――――
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―――
―
「へー、蒼真ちゃんが告白されるかぁ…。」
「なんか意外、蒼真兄さんそういうのに興味ないと思ってた。」
「で、蒼真くんはどうしたいの…?」
「お、れは…。」
俺は言葉に詰まった。
因みに、この会話は最初から凛、茜、リフィの順。
恋愛経験豊富そうな幼馴染みに俺は助けを求めたのだ。
普段は生徒として関わっている彼女等も、学校の時間が終われば今まで通りの幼馴染み。
なんでも話せる仲だと、俺は思っている。
「俺は、泣のことが…好き、だと思う。」
「何で蒼真ちゃん言い切れないの?」
「一目惚れ、とか?蒼真兄さんならありそう。」
茜の言葉に心臓が跳ねる。
そう、俺は泣に一目惚れ。
あの少しの時間に、俺は恋に落ちたのだ。
「茜、鋭い。当たりだ。」
「やっぱり。私、蒼真兄さんのことならよく分かるよ。」
ふにゃ、と茜は笑顔になった。
その様子を凛は面白くなさそうに見る。
少し頬を膨らませ、睨むように此方を見てくる。
正直言って、まったく怖くない。
「蒼真ちゃん、男の子に恋したんでしょ?聖ちゃんにアドバイス貰ったら?」
凛はそう言ってそっぽを向く。
確かに、聖は同性…つまりは男性を好きになった。
アドバイスなど貰うにはちょうど良いかもしれない。
「分かった。じゃあ聖に連絡してみる。凛、ありがとな。」
そう言って凛の頭を撫でた。
さっきとか打って変わってとても柔らかい表情だ。
「蒼真くん、行ってらっしゃい。明日良い報告待ってるね。」
リフィはそう言って凛、茜を連れて教室を後にした。
「………電話、するか。」
そう呟いて、携帯を取り出した。
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