蒼真の恋愛事情

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『別に、好きなら好きで良いんじゃね?』 聖は一通り俺の話を聞くとそう言った。 『何も後ろめたいものじゃねぇし。』 「そりゃ、そうだが…。」 『何が不安?同性だってこと?教師と生徒ってこと?それか、それ以外? でも俺は蒼真は一番同性だってことを気にしてると思う。違う?』 聖の推理に冷や汗が流れる。 コイツの頭良いところは、少し怖い。 良すぎて俺の気持ち全部分かってそう。 「まあ、聖の言う通り。」 『やっぱり。でも蒼真。同性ってのがいけないわけじゃない。 愛に性別とか年齢とか身分なんて関係ないんだ。誰に恋しようが自分の勝手。 皆、自由なんだ。』 その言葉に、俺はハッとする。 自由。 決められた道を行く聖だからこそ、自由ってのは大事なのかもしれない。 勿論、俺にとっても大事だ。 「そ、うだな。自由だ。」 『ん、吹っ切れた声してる。』 良かった、と聖は電話越しに呟いた。 それは真剣に俺のことを考えてくれたのだと分からせるには十分だった。 「聖、ありがとな。決心した。」 『おう、そうか。』 「お前も、頑張れよ。」 『俺毎日頑張ってるよ。』 なのに中々振り向いてもらえないんだ、と今度は聖の話を聞く。 ああ、話はいつまで続くかな。 聖の話を聞きつつ、俺は明日の準備をする。 (明日、俺は返事するんだ。)
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