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「大切にしてるよ?」 満面の笑みを浮かべたはずなのに顔を青くした堤が俺の目の前に居た。 「……っ」 そこで、ハッとして少し冷静になることにした。 今の今まで誰にも“本質”を見抜かれることもなかったのに、 朋を手に入れる上でこの上なく邪魔な堤に、上辺だけとはいえバレつつある。 「いや、本当に大切にしているんだ」 そう、本当に大事で大切なことも決して嘘じゃないんだ。 ただ、その一方で傷つけてしまえと、 自分の手で彼女の時(命)を止めてしまえば俺たちは永遠になるんじゃないかって、 そんな恐ろしいことも考えている“俺”もいるんだ。 堤は邪魔だと思うことと同時に、今その均衡が崩れつつある“自分”にとって、朋を傷つけないための防波堤でもある。
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