Rina’s story

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「昔の友人に会う度に、変わり果てた容姿のこといろいろ陰で言われてた。多分彼女自身の耳にも届いてたと思うよ。ますます自暴自棄になってった」 その当時の彼女の気持ちを思うと、胸が苦しくなる。 「守りたいと思った。どんなに周りが彼女をあざ笑っても、俺だけは綺麗だねって言ってあげたいって思った」 「でも、それって……」 恋愛感情じゃないですよね? 口から出そうになったけど、あまりにも不謹慎だから言うのをやめた。 「うん、同情だったよ。恋愛感情なんてひとつもなかった」 なんであたしの言いたいことがわかるんだろう。 「ま、男と女だからね。何度も抱き合えばちゃんと情もわいてくるし、彼女もそれによって寂しさが埋められてったみたい」 なんだか、他人事みたいに言うんだなぁ。 いい話のはずなのに。 .
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