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「嫁は昔から依存性が強い子だったんだよね。結婚してほしいっていうサインを、気づけば常に出してたよ。それに気づいたからプロポーズした。
今考えてみれば、俺と結婚することによってあいつに見せつけたかったのかもしれないね、あなたなしでもちゃんと幸せになれるよって」
ひとつボタンを掛け違えたような、妙な違和感が拭えない。
「ごめん、長くなっちゃったね。次は何飲む?甘いの好きって言ったよね?カルーアとか好き?」
「片岡さんは幸せですか?」
あたしを覗き込んだ大きな薄茶色の瞳が、一瞬動きを止める。
「うん、幸せだよ」
なんだろう。
変な感じ。
もし、奥さんよりも先に出会っていたら、散々振られ続けるあたしを見て『かわいそう』と思って嫁にしてくれたんだろうか。
そんなのおかしいけど、片岡さんの恋愛論はつまりそういうことなんだろう。
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