第2章

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さあ、どこから話そうかの~ 笑わんと聞いてくれるかの~ じゃあ、わしらが育てた可愛い桃太郎の話をしてやろう。 満月の月明かりを頼りに、わしはおばあさんに送られて夜の山に向かう。 可愛いかぐや姫は月に帰ってしまった。 寂しいのう…。 満月の日だけ、わしだけかぐや姫と話ができるんじゃ。 今宵は満月。 かぐや姫に会いに来たんじゃ。 わしとばあさんは、かぐや姫を育ててくれたお礼だとか、不思議な力で200年も寿命を伸ばしてくれた。 そんなに、こんな体で長生きなぞしたくはない。 子供でもできていたら、もっと楽しかったろうに…。 「おじいさん?」 月から、かぐや姫の声が聞こえてくる。 「かぐや姫、元気でやっとるか?」 やはり、手塩にかけて育てた娘は可愛いのう。 「おじいさん、実はおじいさんとおばあさんを長生きさせた理由は別にあるのです。」 「へ?ただのお礼じゃなくて?」 かぐや姫は、ちょっと辛そうじゃったかの~。
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