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屋上へと繋がる、立ち入り禁止の階段の前。
何気なくやった視線の先で、黒髪、眼鏡の女の子は、何かと対峙するように顔を上げていた。
頼りなさげに眉を下げ、口を小さく動かす。
ここからだと、遠すぎてその内容は聞き取れない。
「んー、しょうがないぜ。」
足元に細心の注意を払いつつ、忍び足でその場に
近づく。
「......こんな............よ。」
「いや、お......気にしな......から。」
近づくにつれ、聞こえてきた声にそっ、と息を静める。
これは必然か、というほど上手い位置にある男子トイレに入り、その内容に耳をすました。
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