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伊瀬を見ることに集中しすぎていたらしい。
ふと、顔をあげた伊瀬とぱちり、と目があった。
うわっ。
「ぁ、南条。」
あ、バレた。
「お前、そんなとこでどうしたんだ。」
「えっ、あ、いや。......なんでもない。」
「なんでもないって、お前。」
はぁ。彼は呆れたようにため息をつくと、その腰を上げて。
だんだんと俺の方に近づいてくる。
「えっ、伊瀬!」
「あ? なんだよ。」
「え、お前なんでこっちにっ、」
近づいてくるんだっ。
「いや、だってそこ汚いだろ。廊下に座ってなにしてんだ。」
「えっ、あ、あぁ。......ごめん。」
「え、いや別にいいけど。ほら。」
「え?」
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