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「あっ、ちょ......! な、なにっ。」
突如、突然の暴挙に声が上擦る。
驚きと戸惑いのなか、重力を無視した俺の身体は、自然的な温もりにそのまま引っ張り上げられた。
「ほら、立て。」
「ちょっ。」
なにすんだよ!
そう、文句を言ってやろうと、繋がれた手の先の彼を見つめる。
すると、ふと。伏し目がちに下げられていた視線がこちらを捉えた。
「なんだ?」
「あ、......いや。」
「そうか。なら、いい。」
「あ、うん。」
目の前に現れた真っ直ぐな漆黒に、何故か言葉が続かない。
いまだ手に伝わる触れたことのない肌の感触に、急ぎ手を振り払った。
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