俺と彼とプロローグ

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楽しそうな女の子の声と、穏やかな男の声が聞こえた。 女の子の声に聞き覚えがあって、廊下の曲がり角からそっと声の主を伺う。 そこには俺の彼女と、今日転校してきたというクラスメイトが楽しそうに話していて。 「え?」 一体なにを話してるんだろう。 今日会ったばかりのはずなのに。 俺を待っててくれてたんじゃないの? そんなことを思って、身体を前に乗り出す。彼女が楽しそうに笑う理由が気になって、耳に全神経を集中させた。 その瞬間、 「......ぁ」 ついさっき俺とキスを交わしたばかりのその唇が、男の唇とくっついた。 ーーうそ、だろ。 彼の転校初日の出来事である。
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