ミルクキャンディ 1粒目

11/22
前へ
/132ページ
次へ
『おい、後ろ詰まってるから家でやれよ』 『あっ、スミマセン』 慌ててレジに顔を向け、携帯をポケットにしまう すると店員は何事もなかったように、次のお客のレジをする あれ?確か私、煙草を頼んだような……… メールをしていたから飛ばされたのか? 感じ悪いなぁ~ 仕方ない、もう一度並ぶか……… 既に会計まで話の進んでる間に割り入るのも、自分に非がある為に出来ず、溜め息混じりに3~4人はいる列に並び直そうと踏み出した途端、強い力で腕を引かれた。 振り返り飛び込んできたのは、長身で癖のある赤い髪と、少しつり上がったアーモンドアイが猫を思わせる瞳だった。 身長は高い方の部類に入る私を遥か凌ぐ高さのその男は、見下しながら私の腕を掴んでいた 辛口の香水と上品なスーツをわざと着崩しているあたりが色っぽい 普通じゃ………ないな……… 『あんたの煙草は買った。来い』 えっ?ヤキイレ? 今時なくない?
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加