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仕事を終え、若干明るくなってきた空の下、私は会社から徒歩10分程の帰り道で、彼の手紙を再び読み始めた。
社外へこんな風に手紙を持ち出したりするのは本当ならばタブーなのだが、どうしても続きが気になりコッソリと持ち出してしまったのだ。
暗号、と言われた通りその下にはこんな文字の羅列が記されていた。
た5あ3か2や3あ3た5~~
か1ざ2な5さ2や2あ3は4あ2
なかなか手の込んだ事をしてくる。
これなら一瞬見られただけでは何なのか分かるはずもないため、確かに個人情報漏洩の危険は少ない気がする。
まぁ、私が漏らさなければの話だが。
少し感心しながら私は暗号の解読は後回しにして手紙を読み始めた。
今は彼の話の真偽よりも、まず手紙の内容の方に興味があるからだ。
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