第1章

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3日前ー東北方面総監部 「それが3年前のAARの資料だ。なぜ、それを君に見せたか分かるかね?」 方面総監は山部をまっすぐに見つめながら立ち上がる。 山部はやや目を伏せながら考える素振り見せた。 「やっぱりおかしいって言うか…」 少し考えて山部は当たり障りのない抽象的なことを言う。たぶん、分かっていない。 「やはり、気づいたようだな。知将の二つ名は伊達ではないようだ。」 そうとは知らない総監が続ける。 「そう、君の同期の中川士長が戦死した時のこの部隊の配置では敵の流れ弾が中川士長に当たるのはおかしいのだ。」 「し、しかし…!!」(ヤバい!!そっちか…って言うか…えぇぇ!?) 心の中の表面には出さず、とりあえず、相づちをうつ。 総監がいつの間にか自分の目の前立っていることに気づき、姿勢をただした。 山部はようやく、面倒なことに巻き込まれたことを認識した。
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