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次の日、山部は警務隊から預かって来た書類を読みあさっていた。
「昨日、急に休みを取ったみたいだけど何かあったのか?」
書類から目をあげるとそこには小隊長の久保山がいた。久保山は、山部が若い頃から共に戦って来た同僚であり、今は直属の上司だ。
「あ、あのちょっと墓参りに…」
防衛省からの極秘任務と言うこともあり、言葉を濁していると。
「まあ、極秘任務だからといって現実逃避してたわけじゃないみたいだし、いいけどな。だけどな、お前があの人の墓参りに行くのはかなりの出来事だ。慎重にな…」
どうやら、久保山には内密に連絡が来ていたようだ。
痛いところをつかれ愛想笑いしながら、
「そういえば、岡山達はどうして自衛隊を辞めたんでしたっけ?」
と聞いた。
なぜ、そんな事を今さら聞くのかと聞き返した後、
「お前がここに留まる訳はなんだ?あの戦いで俺達はいろんなものを無くしたからな…あいつらも戦う意味を無くしたんじゃないか…」
久保山はそう言うと幹部室へ戻って行った。
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