第1章

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── ──── 逃げる逃げる逃げる逃げる まるで、肉食から逃げる草食獣のようだ。 ノーヴァから遠ざかり、違反者はついには無国の地へ足を踏み入れた。 ここなら…やり放題と青年は舌で唇を舐める。 「あ、あんた…なんでっ! 俺を知ってるだ!」 「ねぇ…なぜ、ネバーランドの子供が大人にならないか知ってるかしら?」 怯える違反者を無視して、青年は詰め寄る。 「ピーターパンが絞めてしまうからよ 貴方は軽くないわ…私の島で暴れて、他国でも暴れて…」 本当、おバカさん。と言うも…もう、違反者には聞こえていない。 完璧にナイフは心を射止めていたのだから。 「違反者の処刑終了 来世でばかをしないことね」 そのすぐあとに現れた葬儀屋に青年はしかられるのだが… 「たまには水無月の素で旅もいいな~」 本人はいたって呑気だ。 誰も彼もがパンプダンプキンの頂点が…朧気水無月と、これはまだ知らなかった時の話。だったからだろうか。
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