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花火の日を指を折って数える子供みたいな私にとって、
木、金曜日の二日間はすぐのようでとても長い時間に思えていた。
金曜の仕事が終わると、まるで学生のテスト開けみたいに気分が軽く、私の心はすっかり夏祭りに向かっていた。
土曜の待ち合わせは夜だけど、午前中にゆいの家に行ってそのままそこで1日を過ごすことになっていた。
支度をして出掛ける。
浴衣一式を持って行かなきゃならないから、この暑い中、大荷物。
ゆいのアパートに着いた時には汗だくで、喉がカラカラだった。
「アツー!!なんて暑さなの!?ゆいー何か冷たいものちょうだい。」
「はい。はい。ホントに暑いねー。」
「うん。溶けるわ。」
ゆいが出してくれた麦茶をゴクゴクと一気に飲み干した。
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