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エアコンの効いた涼しい部屋で私は何の遠慮もなくくつろぐ体勢に入る。
すると、ゆいが話しだした。
「美咲。成瀬さんと二人で楽しかった?」
「な、いきなり何!?」
ゆいが口の両端をこれでもかと上げてちょっと怖い笑顔を向けてくる。
「な、ゆいが変!!何その笑い!?」
「ううん。なんでもない。聞いてみただけ。…で?」
「…ゆい。怖い。それ、ゆいのキャラじゃないでしょ。」
「そう?…いつもと立場が違うだけ。私、いつも聞いてもらってばかりだもん。」
「あ、そ。でも、特に話すことないんだけど。」
そう言いながらも自分の顔が緩んでしまうのはどうしてだろう?
そして、その表情でゆいには全てが伝わってしまう。
「ん。わかった。よかったね、楽しめて。」
「何でそうなるのよ!?何にも言ってないんだけど!!」
ゆいってば、涼しい笑顔で私のことをたしなめるように見てくれちゃって。
…これじゃあ、
いつもと逆じゃない。
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