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「はあー!?」
成瀬さんが眉間にシワを寄せながら吐いた言葉は思いのほか大きくて、両隣のテーブルのお客さんが私たちに怪訝な視線を向けた。
「ち、ちょっと声がおっきいわよ!!」
声を潜めてテーブルの上で成瀬さんに顔を寄せる。
「お前が変なこと言うからだろ!?」
「私のせいにしないでよ!…別に、…変な事じゃないし。」
「はあ?変な事じゃなくて、なんだんだよ!?なんで、急にそうなるんだよ!?」
「…急にってワケじゃなくて…、あ、別に話を蒸し返したいんじゃないの。ただ、ちょっと…気になって…。五月に成瀬さんがゆいにあんなことしたのって…ゆいが好きだったのかな…って思って。」
…とうとう、言ってしまった。
言っちゃったよ。
何?
この空気!?
ヤダ!!
やっぱ、
私らしくなかった!?
「…あ、あ、だから、もし、今でも好きなら、私たち4人で何かしたりするの…辛いかなーと思ってさ。」
明るく言って、ビールを流し込む。
…お願い。
…何か言ってよ。
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