磁石

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待ち合わせ。 私は7時前に到着する電車で既に駅に着いて、成瀬さんを待っていた。 今日はショーパンをやめてバギーデニム。上は肩の開いたTシャツに中にお気に入りのインナーを着た。 少し甘めのインナーを。 「わりー、待ったか?」 7時を回って、成瀬さんと合流した。 「ううん。全然。」 「てか、今日は短けーのじゃねーんだな?そんな奴ばっかり探してたからわかんなかったわ。」 「はあ!?生足の女の子ばっかり見てきたの!?このスケベ!!」 「はあ?お前いつもは短いのじゃんかよ!今日に限ってなんだよ、長いの履きやがって!」 「はいー!?人を探す時はまず、顔でしょう!顔!!この顔を探しなさいよ!!」 私は成瀬さんに詰め寄って顔を突き出した。 …ヤバ。 …近っ!! なのに、引っ込みがつかない。 「…わかったよ。わかった。この顔だな。わかったよ。…でもさ、自分でそう言っといて顔赤くすんのやめろよな。」 「赤くなんてしてない!!!」 「はいはい。行くぞ。」 成瀬さんが私の前を歩き始めて、その背中を見ながら顔を両手で覆う。 顔に熱をもったことは そんなことしなくてもわかっていたのに。
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