磁石

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翌日、水曜日。 来客ついでに成瀬さんが受付カウンターに寄った。 「おう。お疲れ。今週土曜に営業で打ち上げすんだよ。部長と室井も誘うからお前も来いよ。」 成瀬さんからの誘い。 「私たちもいいの?」 「お前たちは特別。他のメンバーも呼べってうるさいし。…特に室井。」 「…やっぱね。わかるわ。」 「部長は俺のアドバイザーだしな。」 「…私は?」 「お前は俺の特別枠だよ。気合入れてくれたしな。じゃ、そーいうことで。」 成瀬さんは行ってしまった。 "お前は俺の特別枠" そんな、簡単に言わないでよ。 …本気にしたって知らないからね。 その話をゆいとした時、 「私たち、いいのかな…?」 ゆいはそう言って心配してたけど、 …みんなゆいのこと、待ってんのよと思いながら 「いいじゃん。森田部長にたっぷりおごってもらっちゃお!」 私はそんな言葉でゆいを行く気にさせた。 だって、 絶対行きたかったんだもん。 成瀬さんが特別枠で誘ってくれたその会に。 結局、ゆいも部長も承諾して、みんなで打ち上げに参加することになった。
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