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リビングに戻ると上昇した体温を冷ますように、エアコンの涼しい空気が体を纏(マト)った
「…会社の人、仕事のこと?」
「…う、うん。そんなとこ。」
「受付係に?」
「…ヴ。」
「…みさ姉変えたの、その人なんだ?」
反論しようと思ってやめた。
…否定はできないから。
「お母さん、ごめん。もう終わっちゃった?じゃ、お茶入れるね。冷たいお茶いる人ー!?」
「はーい。」
「はーい。」
みんなに気遣うフリをして、
本当は
成瀬さんとの電話の後で
私が一番、喉が渇いていた。
翌日は午前中までのんびりして、お昼を食べてから実家を出た。
ミナミはもう一日泊まるらしい。
電車に揺られていると、最初は実家の余韻に浸っていたはずなのに、
駅に着く頃には明日の約束のことで頭がいっぱいだった。
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